マンガを読む人/描く人へ

「出版不況で儲かるマンガ家は数える程度」とは広く拡散されることだ。美大で教えていると、優秀な人ほどプロ志向が「ない」現実がある。まず就活し、内定が決まらなかったらマンガ家になることを考えるのだ。マンガ家はもはや憧れの職業ではない。では、そんな状況の中で優秀な新人を集めるには、どうすればよいのか?

マンガ界はあと数年で紙の出版と電子書籍の売上げが逆転するだろう。既にここ3年は、紙の出版の売上げが前年度割れを続けている一方、電子書籍の売上げが連続して前年度比40〜50%増を記録している。 しかし、その内情を見ると、電子書籍における作家への印税率が低く抑えられ、売上げが作家に正しく還元されていない実態がある。

所詮そうしたセコい戦略は自分達の生き残りを優先するものにすぎない。作家たちがカラクリに気付けば、長く続けることはできないだろう。なんのことはない、マンガ家を憧れの職業から遠ざけているのは出版社なのだ。これを変えるには、出版界は相当の血を流すことを覚悟しなければならない。

そんな状況で必要なのは、作家から著作権の信託を受けたエージェントだ。エージェントの仕事は、作家と協働して作品を作りあげ入稿するというものだから、一見すると編集者の仕事と変わらないように見える。

大きな違いは、作家から財産権としての著作権の信託を受けている点にある(他方、人格権としての著作権は作家に残る)。こうしてエージェントは作家と一蓮托生となり、その代弁者となり得る。作家に代わって企業と交渉し、マンガ家がやる気になるような好条件を引き出すのだ(私達の信託契約における作家への高配分を見て欲しい)

一方で編集者は出版社から給料をもらう立場だ。会社の意向に逆らってまで作家に都合のよい条件を引き出すことはむずかしい。作家か会社かの選択を迫られれば、組織人として会社を取るしかない。作家の側に立つエージェントが必要とされる理由がここにある。

マンガ業界の中で、最も大切にされるべきはマンガを描くマンガ家のはずだ。電脳マヴォは作家とともに歩むエージェントに生き残りを賭けようと思う。どうかご期待いただきたい。